身近なところにあったペット用ドライヤーの安全対策

前回お話しさせていただいた、犬、猫などペットに特化したドライヤーは、その目的としてノミ、ダニの殺虫、駆除、細菌に対して滅菌作用、そして犬猫用に合わせた温風の温度と風量など、順調に開発経過をたどっていました。しかしプロトタイプの機器でテストをしていたら、通常人が使うドライヤーでの仕様では、むき出しのニクロム線が繊細な体毛を巻き込んで、焦がしてしまうなどのアクシデントの可能性があることが判明したのです。

今回はこれに対応すべき従来にはないドライヤーの発想と技術、そしてそのヒントは身近にあったというお話しをさせていただきます。

またまた技術のお話は難しい聞きなれない言葉の連続ですが、お読みいただけますと幸いです。

ペットの安全のための取り組み

一般的な人間の使うドライヤーの内部構造で、本体の形状を工夫しつつ、ペットの体に近づけて使用しても危なくないようにする取り組みが始まりました。

たた遠赤外線の熱で体毛を乾かすだけであれば、少し距離を取っても問題ないことはすぐに実証できました。

最近はやりの海外から入ってきているボックスタイプのようにする案も再度浮上しました。

しかしながらこの機器での最大の特徴である、

①ノミ、ダニの殺虫、駆除

②細菌類の滅菌

を有効かつ短時間で行う場合、やはりペットの体に近づけて使用することが必須だと改めてわかりました。

私たちの遠赤外線の効果実証をお願いしている研究機関から、速報ベースですが、効果があることは間違いないですが、距離と若干の時間に関係することも知らされました。

もともとこの機器の開発においては、上記の効果をよりもたらすため、体に近づけても熱で熱さを感じない温度や、過度な温風の風量を制御してきていますから、当然といえば当然なのですが。

ヒントになった身近にあった家電

こうなるといよいよ機器の本体形状を変えるくらいでは解決にはならなくなってきました。

本来の効果(ノミ、ダニ駆除、細菌の滅菌)が弱まってしまうのは論外ですから。

しばらくテストを繰り返し(実際にはどうしていいか困ってしまい止まっていた期間もありましたが)、

結論が出ないまま本当の途方に暮れるというものを経験してしまいました・・・

しかし、意外なところに、身近なところにその解決方法のヒントになるものがあったのです。

なんと普通に家の中でした。

それは冬の間使っている、いわゆる電気ヒーター、そしてほぼ毎日使っていたオーブントースターでした。

どういうことかと申しますと、これらは熱源であるニクロム線の上にガラス状の石英管(せきえいかん)というものをかぶせているのです。実際にご自宅にある方は見ていただけるとすぐにわかります。

これは石英管が高熱でも熱膨張せず、水に濡れても割れや漏電の危険がないので、ヒーターやトースターに使うにはピッタリの素材だからです。

もちろん一般的に通常のドライヤーにはついていませんので、ドライヤーのような小型のものにつけられるのかはまだこれからですが。

ただこの技術が転用可能であれば、万が一毛の長い犬が内部のニクロム線に直接触れても、毛を痛めたり焦げ臭くなるようなことは回避できるわけです。

加工の難しい石英管

ドライヤーの場合、本来むき出しになるニクロム線を石英管の中に入れ、本来の遠赤外線による効果は維持しつつ、安全にペットの体に近いところで使用することが見えてきました。

早速専門の業者さんに石英管加工のことを尋ねてみると難問が同時に見えてきました。

一般的にですが、下記が石英管加工が難しいと言われている事項だそうです。

①割れやすい硬脆材料

ガラスは硬いが壊れやすい、硬脆材料と呼ばれる材質です。これは、ガラスの主成分である酸化ケイ素の結晶性に起因します。石英ガラスもガラスの一種のため、硬くて脆いため、金属等と比較するとやはり加工は困難と言えます。

②複雑な形状の製品が多い

石英ガラスが用いられるのは、フラスコやビーカーといった理化学製品が多く、またハロゲンランプやレンズなどにも使用されます。これらの製品は、形状が複雑な場合が多く、単純な加工よりも数段難しい加工が要求されます。

③使用環境による厳しい要求精度

理化学製品やランプ、レンズといった製品は、キズによって光の透過性が失われたり、破損につながったりする恐れがあります。そのため、石英ガラス製品が用いられる環境に合わせて、要求精度も厳しくなり、高精度な加工が要求される点が加工の難易度を上げています。

④高温化で失透してしまう

石英ガラスは、1200℃以上の高温下で長時間使用すると、透過性が失われる失透という現象が発生してしまいます。また、石英ガラスの表面に不純物が付着したまま加熱した場合も、失透が発生してしまいます。このため、加熱しながら加工をすることが多い石英ガラスは、温度管理も徹底した中で加工を行わなければなりません。これらの注意点をすべて考慮しながら、高精度な品質の製品が求められる石英ガラスの加工は、やはり難しいといえます。

上記内容を直接お聞きした時には、小さなドライヤー内部に、しかもトースターやヒーターのように真っすぐではない丸くなった形状のニクロム線を果たして入れられるのか、気が遠くなるような気がしました。

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